[ ネット繋がり:2 ] シャワーの音。 服を着たまま、 そこに居るボク。 <ごめん、もう疲れた> 彼にだけメールを送信。 そして、そっと刃を自らに押し当てる。 意識が遠のく中、 携帯の呼び出し音が聞こえた気がした。 † ピッ、ピッ、ピッ……。 機械の音がする。 ――そっか、生きてるんだ。 外では父さんと母さんが喧嘩してる。 誰も悪くないのに。 ボクが、他の人よりちょっと、 弱かっただけ。 医者と両親が話してる声が聞こえる。 彼は……手を握ったまま、 居眠りしていた。 「ん、目ぇ覚めたか。」 「……うん。」 「じゃあ、親御さん呼んでくる。」 「……何も聞かないの?」 彼は少し微笑み、ボクの頭を撫でてから。 「心配……したんだぞ。」 「……ごめんなさい。」 後は何も言わなかった。 † 今、ボクは彼のマンションに居る。 一緒にお昼寝中。 たまにはいいな、と思いながら、 あの時、ボクが居なくなったら、と ふと思って寂しくなる。 ……これで良かったのかな、って。 寝ているのを見ていたら、彼が寝言を言う。 「〇〇は、俺が守るぅ……。」 嬉しくなって彼の頭を撫でた。 良かったんだよね。 ボクは……居ても、 いいんだよね。 = 完 =