[ 花粉症:2 ] 俺の自宅。 「あ〜。ようやく鼻がマシになってきた。」 「シャワー浴びたからでしょ。」 俺の部屋で、春海はゲームに熱中している。 「春海ぁ……今日は泊まってくのか?」 「えっ!? あー……、うん。親には言ってある……し。」 「そうかぁ……。」 にたぁっと笑いながら、ゲームに夢中な春海の背後に回る。如何にも獲物を狙った虎のように。 「春海。」 「な、なに?」 俺は春海を背中からギュッと抱きしめてから、お姫様だっこをする。 「ちょ、尚輝、ゲームがっ!」 「春海。シャワー浴びてくるか?」 「えっ!? う、う……ん。」 俺の腕の中で顔…というか耳を真っ赤にして俯く春海。 「一緒に入ってやろうか?」 「ばっ、バカ!」 急に暴れたので春海を落としかけたが、何とか下ろした。 「……シャワー、借りるね。」 「おう。ゆっくり慣らしてこ……おぶっ!」 「知らないっ!!」 手近にあったクッションを春海に投げられた。 「全く……春海ももう少し素直になってくれたら、もっと可愛いんだけどなぁ。」 ベッドに横になりながら俺は呟いた。 しばらくして。 「尚…輝、出たよ?」 「ん、じゃあ裸のままこっちに。」 「……ヤダっ!」 風呂の扉から抗議される。 「何だよ、俺はもう全裸だぞぉ?」 風呂の扉から、春海の顔だけがこっちを向く。 「尚輝、前隠せよ!!」 「これからするのに、隠す必要無いだろ。」 「僕が困るんだよっ!!」 俺は春海の顔が見えなくなった隙に、そっと風呂へ近づく。 「尚輝、隠したか!? あれ、なお…き?」 急に俺が居なくなったから、春海の声は不安げだ。そこに俺は、素早く風呂の扉を開けて春海をそのままお姫様だっこ。 「尚輝!?」 「あーうん。待てなくなった。」 「ちょ、そのままベッドに連れてくなっ!!」 「暴れんなよ。俺も春海が好きだから、待てないんだよ。」 そう言ってから、だっこしたまま春海に優しくキスをする。 「……バカ。」 「優しくしてやるから、な?」 お互いに濃厚なキスをしながらベッドに横になった。 「……ぶぇっくし。」 「尚輝、雰囲気台無し。」 = 完? =