[預金残高:0] また俺は銀行に来た。というか、 給料日の度に来ては居るんだが。 毎度の事ながら、気が滅入る瞬間だ。 「つか、カーゴがバイト入れば、こんなハズじゃ……。」 一つ溜め息。カーゴだって好きでずっと家に居る訳じゃない。 だが、朝までゲームしてるのは、ちょっと気になる。 俺もたまには、寝起きで機嫌が悪い事もある。 そんな時に朝から喧嘩したくないので、 止めて貰いたいとは思ってはいる。 「今日はどうするかな……。」 頭の中で金の掛からないレシピを考えながら帰宅する。 「ただいま。」 「おかえりー。」 挨拶だけして着替え始める。 「ロウ、明日面接入れた〜!」 「ん、どこの?」 「○△駅付近、かな。そんな訳で交通費ちょーだい♪」 「あー……わかった。」 カーゴに駅までの往復運賃を渡す。 「これで足りるだろ。」 「さんきゅー。」 たまに、カーゴが本当に面接に行ってるか、気になる事もある。 だけど、俺が信じなきゃ誰が信じるんだ、 って事で気にしないようにしているが……。 「カーゴ、あのさ。」 「何?」 「……いや、いいや。」 一人でシャワーを浴びながら考える。俺はこのままでいいのか、と。 カーゴは多分、頑張ってくれてる。 まぁ、俺は会社員だからバイト出来ないのだし、 カーゴの収入に頼るしかない。会社に隠れてバイトするにしても、 条件が厳しいせいか、今のところ成果はゼロ。 「……どうしたもんかなぁ。」 シャワーを止めて、軽く身震いしてから、バスタオルで体を拭く。