「あちぃ……」 隣りで、机に突っ伏してるのは、系羅(けいら)。虎獣人。 「そう言ったって、涼しくならないでしょ?」 頭の獣毛を掻き分け、 少し暑そうに逆隣りで呟いてるのが、 都馬堵(とまと)。犬獣人。 「界杜〜。プール開きって、いつだっけ?」 そして、僕が界杜(かいと)。犬獣人。 僕と都馬堵、系羅は幼馴染み。何処に行くにも、大抵は3人かな。 「え〜と……確か来月じゃなかったかなぁ?」 「絶望的だ……。」 系羅は呟いて、更にぐったりしちゃった。 あ、そうそう。僕の両親は海外で働いてるんだ。だから、自宅というと……居候させて貰ってる、 系羅と米羅兄ぃたちの家になるの。 もう慣れたけど、両親が居ないのは、たまに寂しいかな。毎日楽しいけどね。 チャイムが鳴ると、皆団扇とかを出してきて、扇いでる。僕もだけど。 「ポーン、校長の今日の一言だぞ〜っ。」 あ、いつもの我が儘が始まった。 うちの学校の校長は、(いろんな意味で)変わり者だから、 たまにこうやって、 何かあると放送してたりする。 内容は、"機嫌がいいから休校"とか、 "給食にタマネギ禁止"とか。校長はタマネギ嫌いみたい。 「今日はコレだっ。 ……プール開きを1ヶ月前倒しして、今日やるぞっ。参加したい人は、 各自水着を持ってくるように! ……あぁ、そうそう。界杜君は強制参加だぞっ♪」 「はぁ……。またアイツは……。」 隣りで溜め息をついてる系羅。僕も校長は苦手だけど。 入学式から、何か僕だけ狙われて?るし……。 「系羅、とりあえず水着持ってこよ?」 「あぁ。都馬堵はどうするんだ?」 「ん〜……あたしはパス。水着ないし。」 「あれ? 去年のじゃダメなの?」 ……ダメらしい。都馬堵いわく、 『今年は、まだ気に入ったのが見つかってないから、ヤダ』って事みたい。僕にはよく分かんないや。 「ちぇ……。都馬堵も居た方が楽しいのに〜。」 「あっ。界杜、ごめんね……。」 「う……うん?」 何か物凄い謝られた気がしたから、 返事した声が裏返っちゃった。恥ずかしい……。 仕方ないから、系羅と一緒に帰った。 プール開きに参加しない人はそのまま下校みたい。それも良かったかも。 「えーと。海パン、海パン……。」 系羅と一緒に海パンを探す。確か家から持ってきてたのが……あった。でも、ちょっと小さいかも。"1-6 かいと"って書いてある、紺色の海パン。七分丈とかじゃなく、トランクス位の丈のやつ。 懐かしいなぁ、確か小学生の頃のだっけ。 ……じゃなくて、水着。 「界杜、見つかったか?」 「ま、待って系羅〜。もうすぐだから。」 慌ててごそごそと探すと、あった。去年買った七分丈の水着。見た目はショートパンツみたいなやつ。……多分、系羅も同じ丈のやつかな。一緒に行って、選んで買ったし。 急いで追いかけて、学園に向かう。 プールの更衣室に行くと、みんな居た。暑いからかな。 学園のプールは、個室になってる部屋が38個。大部屋が3個。男子の分がこれだけ。 女子の方は、個室が38個、大部屋が1個。シャワーは、個室全てと、大部屋に5個ずつ付いてる。……何かやたら広いんだよね。プールは特に。 プール自体も、25mのが4つ、50mのが1つ。だから、たまに大会とかでも使われてる。 「界杜、大部屋行くか?」 「うー、やだ。今日は、着替え用のタオル無いもん。」 「……ちぇ。」 大部屋行くと、シャワー室で、系羅に悪戯されそうだもん。個室でもされるけど、大部屋は声出ちゃったら恥ずかしいし……。 個室で着替え終わると、外に系羅が居た。 「早く行こうぜ♪」 「あ。うん〜。」 手を引かれてプールへ。見渡すと、学年ごとにまとまって居たから、 僕らも向かう。 「それでは、準備体操から始めましょう。」 戸羽センセに合わせて、 みんなで準備体操を始める。 ……ん〜、みんな色んな水着になってるんだね〜。 系羅は、エメラルドグリーンの生地に、森とか魚が描いてある。 僕のは、水色の生地に、波や船が描いてあるやつ。 戸羽センセは…体の白い羽根に合わせて、真っ白なビギニパンツ。 履いてないようにも見えるから、 女の子達は、目のやり場に困ってるみたい。 ゆーき君は……あ、居た。アレは何だろ? 「系羅、ゆーき君は履いてるの何?」 「あぁ。褌(ふんどし)ってやつ。」 ふーん、褌かぁ。赤一色で、前掛けみたいなのが付いてる。越中褌(えっちゅうふんどし)って名前みたい。 「みなさん、準備体操は終わりましたか? それでは、各自怪我のないように、気をつけてくださいね。 何かあったら、先生方に言ってくださいね♪」 ふわっとターンしてからの一言。うーん、戸羽センセは筋肉質なのか、そうじゃないか、羽根で分かんないや。 「…おや、界杜君。どうしました?」 「んー、センセが筋肉質かどうか分かんないなぁって。」 「なら、触ってみます?」 そう言われて、系羅と一緒に触ってみたら、 想像してたより筋肉質な感じ。だから細いのに、お花見の時は3人でも止められ無かったのかぁ、と納得した。 羽根のふわっとした感覚が気に入ったから、少し触ってたら、 いつの間にか、隣りにゆーき君が。 「あ、ゆーき君。こんにちは♪」 「あ、うん。」 軽く挨拶したあと、ゆーき君は、戸羽センセに……埋まってる? 「ゆーき君……。」 「戸羽センセぇ……。」 「ゆーき君、自分のクラスに戻らなくちゃ、ダメですよ?」 「……。」 横に首を振って、また埋まってる。どうしたんだろ? そういえば、お花見の後から、ゆーき君見つけると、戸羽センセの居るとこを聞かれる事、増えた気が……するけど、何かあるのかなぁ? 「センセ、とりあえず遊んでくるね〜♪ 行こ、系羅。ゆーき君もまたあとでね♪」 系羅と一緒にプールへ。泳いでる子も多いなぁ。僕は犬掻きしながら、系羅をみると、クロールして泳いでた。 系羅は水泳得意だから、ちょっと羨ましいかな。昔から、溺れそうになると、米兄や系羅に助けて貰ってたし。 今回は、来なかったけど、 都馬堵も水泳得意なんだよね。僕も頑張って、助ける側になりたい……。 それと、女の子助けられないのは、ちょっと格好悪いし。 「系羅ー。平泳ぎ教えてー♪」 「いいよ。まずは、手をこうやって……。」 しばらく手足の練習してから、本番。 「えいっ。」 ……気付いたら、系羅に支えられてた。 「大丈夫か? 無理すんなって。」 「うー。僕も泳ぎたいのっ!」 「犬掻きでいいじゃん。」 「やーだぁ……。」 「界杜君は犬掻きでいいんですよ♪ いざとなったら私が助け……。」 「わっ!?」 「いきなり界杜を肩車するなっ! とりあえず、沈めっ!」 校長センセがいきなりプールから出てきたと思ったら、系羅の踵落としで……沈んだ。 「だ……大丈夫かなぁ?」 「あぁ、大丈夫だろ。米兄の蹴りで無事なんだから。」 妙に納得。……あ、校長センセ浮いてきた。 校長センセは、黒いビギニパンツかぁ。あんなに細い水着じゃ、ギリギリ隠れてるくらいな気がするけど……。 ひとしきり遊んでから、夕方くらいになる頃。 「今日は、そろそろ各自、下校するように! 親御さんに迷惑掛けないようにな。では、解散っ。」 いつの間にか復活してた校長センセの号令で、 ぞろぞろと更衣室へ。 ……そういえば、ゆーき君どうしたんだろ?見回したら、股間を隠したまま、ご機嫌な戸羽センセにお姫様抱っこされたのを見つけた。 「あ、ゆーき君みっけ♪」 「あっ…えっと……」 「ゆーき君は、泳いでる時に水着なくしちゃったらしいので、連れてってたんですよ、界杜君。」 「ふーん……。水着見つかるといいね♪」 「うん。」 そう言って、更衣室前で別れた。あの後、戸羽センセが校長センセに怒られたらしいという噂は聞いたけど……どうなんだろ? 個室の更衣室でシャワー浴びてたら、コンコンってドアが叩かれた。 「なにー?」 「俺だけど……まだ掛かる?」 「あ、系羅かぁ。もう少し掛かるー。」 頭をガシャガシャ洗って、ブルブルっと身震い。目は……オッケー。水着をしまって着替え始めた頃、待てなくなった系羅が部屋にきた。 「えっ? 外で待っててよー。恥ずかしいし。」 「やだ。」 そう言って、系羅が僕に服を着せてく。僕もう子供じゃないのに。着せる系羅は楽しそうだけど……むぅ。 その後、戸羽センセに挨拶してから帰宅。 「……にしても、良かったね、系羅。」 「だなぁ。暑いからってプール開きが早くなったし。」 頭を洗いながら系羅と話した。あ、今ちょうど帰宅して、お風呂入ってるとこ。 米兄が、調理当番代わってくれたから、二人で入ってるの。何作ってくれるのかなぁ……。 「界杜、ヨダレ。」 「あっ。あははっ……」 想像してたら、おなかすいてきちゃった。早めに上がっちゃおうかな。 「系羅、先に上がってるね〜。」 「んー。」 体拭いて、頭をわしわし拭きながら台所を見に行くと……ケーキだっ♪ 「わーい、ケーキ♪」 「こらこら、服着てから出てこいよ。」 「別に3人とも♂だし、いいじゃんー。」 「……襲いたくなるだろ……。」 「ん? 米兄、何か言った?」 「いや、何も? ……って、ケーキつまみ食いするなっ!」 「けちー。」 裸で居るのも寒くなってきたから、風呂場に戻って、服着てから居間に。 「やっぱり、米兄の料理がイチバンだね♪」 「俺のは?」 「んー、味付け変えてくれたら考えるー。」 「界杜の味付けは濃すぎんだよっ!」 「美味しく作ってるだけだもんー。」 そんな事いいながら、ごちそうさまして、 食器を洗って、片付けてから、自分の部屋に行く。すぐに系羅が来て、一緒にベットにごろ寝しながらゲーム。 「あっ、そこ使おうと思ってたのにー。」 「甘い甘い。この分だと余裕で勝ちだな。 ……って、取られた!?」 「へへーん♪ 系羅油断しすぎー。」 そんなこんなで1時間。ちょっと飽きたからごろごろしてたら、 系羅に抱き付かれた。 「界杜、お前最近溜まってるんじゃない?」 「えっ? うーん、別に気にしてないし、大丈夫だよ?」 「いやぁ、健康的な男児たるもの、週に1回さえ抜かないのは、ちょっと溜まり過ぎだぞ?」 「べ、別に溜まってても問題無いし。」 「ありまくり。例えば……こんな事でも感じるんじゃ?」 「なにを……きゃんっ!」 いきなり系羅が、僕のをパジャマの上から掴んで、揉み揉みしてきた。耳も甘噛みしながらだから、感じすぎて身体が跳ねそうになる。 「ほらほら……界杜、やっぱり溜まってるじゃん。」 「やっ……あぁ……。」 段々と力が抜けてきて、系羅も手をパジャマから中に入れてくる。 「やっ……だぁ……。やめて……。」 抵抗もあんまり出来ないまま、僕は下半身のパジャマと下着を脱がされちゃった。裸になった下半身を優しく撫でられると、もう抵抗する気も失せる。 背中から抱き締められたまま、ベットの縁に座らされて、その後ろに系羅が居て、僕のを扱いてくる。 「あうっ……あんまり触られたら、イっちゃうよぉ……。」 「イく前にティッシュ被せれば大丈夫だろ。 何ならゴムにするか?」 「あんっ……うー。ゴムにする……。」 そう言うと、系羅がゴム……というか、コンドームを持ってくる。 どうやら、母さん達の部屋から拝借してるという話みたい。 僕のに被せて、系羅に抱き締めて貰う。 「……うっ……あぁ……ん」 喘ぐ僕の声だけが部屋に響く。 「……あっ。もうダメ、イくっ……。」 「カイ、イっていいよ♪」 「うっ……ケイぃっ!」 身体を完全に系羅へ預けつつ、のけ反って、どくっと震えた。 「あっ……はぁ……。疲れた……。」 「お疲れ様♪ ゴムの中と言えど、随分出たなぁ。 コップ1杯くらいあるんじゃない?」 「はぁっ……し、知らない……。」 ぐったりしながらゴムを捨てて、モノだけ綺麗に拭く。 ゴムしてたから、片付けはこれで終わり。 服を着終わると、眠くなってくる。 「系羅ー。疲れたから寝るー……おやすみ。」 「ん、おやすみ♪」 優しく系羅に撫でられたまま、 僕は眠り始めた。