界杜は寝た……な。よし。 俺は、兄ちゃんの部屋に行き、ノックして一言。 「兄ちゃん……怒ってる?」 「……いいから入れ。」 入ってドアを閉めると、兄ちゃんに抱き締められた。 「夕食の後、界杜弄ってたろ?」 「……うん。あれで兄ちゃんが怒ってるんじゃないかなって。」 「いつもの事だし、怒って無いけど……、ちょっと拗ねたかな。」 「うぅ……兄ちゃんごめんなさい……。」 俯いてたら、兄ちゃんに頭を優しく撫でられた。嬉しくて喉が鳴る。俺は、この瞬間が一番好き。兄ちゃんが、"俺だけの"兄ちゃんだから。 「系羅、あんまり界杜を悪戯してると、 兄ちゃん拗ねちゃうぞ?」 「拗ねちゃヤダ。界杜も界杜で、 あれだけ無防備だからいけないだけじゃん。」 「まぁ、そうだけど。」 界杜は、何だかんだ言っても、俺が知ってる限りは、ノンケだし。普通に、都馬堵が好きだし。界杜は自覚無いけど。 早く界杜が自覚しないと、都馬堵から言いそうだな。 あれ? そういえば、都馬堵は界杜が言うまで、待つって言ってたか。いつになるんだろ。 「系羅、どうした?」 「ううん、界杜はニブいなぁって、考えてただけー。」 そう言って、兄ちゃんの腕の中で丸くなる。 兄ちゃんも俺の行動はよく知ってるから、抱っこしたまま、兄ちゃんのベットに運ばれる。そして背中から抱き締めて頭を撫でてくる。 「兄ちゃん……今日はシたいな……」 「……ん、分かった。」 兄ちゃんは、俺がシたいって言わないと、全然シてくれない。多分、俺以外に好きな人が居るのかなって思う。だから、毎回、ココロの中で、ごめんねって謝ってから、パジャマを脱ぎ始める。 俺が幾ら、兄ちゃんの事が好きでも、兄ちゃんからは、弟でしかない。だから、今だけ俺の事を好きになって貰えるように、出来る限りの事をしてる。 「系羅……。」 「兄ちゃん……。兄ちゃんの欲しいな……。」 「わかった……いくぞ?」 「うん……来て。」 そう言い、俺はベットで仰向けになったまま、両手を開いて微笑む。 こうして、俺は、また兄ちゃんに抱かれる。 兄ちゃん……大好きだよ。俺の一番好きな人。