眠る。暗い闇の中。 小さな物音に驚き、辺りを見回す。 そこには誰もいない。彼女すらも。 不安を払うように俺は咆えてみたら、 急に周りが明るくなる。熱気、炎。 木で出来た家がたくさん燃えている。 熱い。胸も苦しい。 知らない場所なのに、哀しくなる。 不意に見上げた空。竜の群れが飛ぶ空。 なぜか懐かしくて、涙が出る。 ――ここは、俺の故郷かもしれない。 目を覚ますと、いつもの風景が広がる。 白い壁。よく分からない機械。そして、彼女。 「●●、どうしたの? 大丈夫?」 抱き締めてくれた彼女の温もり。 少し、俺は安心した。