起き上がる。見回すと、白い壁。 だけど、いつもの風景じゃない。 彼女は部屋の外から何やら操作している。 「●●、これから訓練をするのよ。」 彼女の声と共に、目の前に人影が現れる。 白い鉢巻、紅い刀。目は虚ろで、こちらを睨む。 ――明らかに人間にしか見えない。 「勝ちなさい。」 彼女は言う。俺は答えるように咆哮し、 人間を切り裂こうとした。 そいつは一瞬で消え、俺の肩を切り裂く。 ……なんだ、こいつは。 反撃をすると、ことごとく当たらない。 姿もたまにしか見えない。 半ばやけくそになって、魔力を開放する。 人間の姿が一瞬止まる。 そこに俺は渾身の一撃、ブレスを見舞う。 炎が治まった頃、紅い刀だけが残っていた。 「●●、よくやったわね。」 彼女の声が嬉しかったが、疲れ過ぎて意識が飛んだ。