「●●、今日は出かけるわよ。」 言われるままついていく。 ……街があったと思われる廃墟に着く。 「着いたわよ。ここが……。」 彼女の声が聞こえなくなる。 目の前の風景が変わっていく。 燃えた家、逃げ回る人々。 それを追い、切り裂く人影。 「やめろっ!」 叫んでもその人影に声は届かない。 目の前で、追い詰められる……彼女に似た人。 手に掛けられそうになった時、 俺の姿をした人がその人を守った。 ……何か頭に引っ掛かる。 割れそうに痛くなる。 俺は頭を抱え、その場に蹲る。 嫌だ。思い出したくない。 思い出したくない? 俺はこれを知って……る? 「イヤダァァァッ!」 叫んだ。力の限り。 何もしてないのに涙が溢れてくる。 ココロに穴が空いていく。 「●●……。大丈夫よ。」 彼女に抱き締められる。温もりが伝わる。 そして、俺は――。